マルカフェおしゃべり講座 VOL.05ー戦艦大和 海底探査の話ー

イラストレーター・水野行雄先生のマルカフェおしゃべり講座 第5回目、7月16日に開催!
今回のテーマは「戦艦大和海底探査の話」 。

初回の「フネの話」でも、戦艦大和の海底探査について少しお話いただきましたが、今回はガッツリ大和でした。

既に設計図から大和の造形は認識されていましたが、それだけではディティールが読み取ることができない箇所があったようです。1999年に水野先生がご出演されている海底探査の特番映像を観ながら、その構造、どのように攻撃を受けたか、沈没した理由など聞かせていただきました。



映像序盤、東シナ海の海底に沈む鉄の塊を発見し、それがフネだと分かっても本当に大和なのかははっきりしません。まず、菊紋があるかどうかを確認します。1m以上の大きさの菊紋があることが確認され、大和であることが分かりました。そこから更に調査は続行されます。



前方のバルバスバウ(球状艦首)という、丸く出っ張った船体の構造を取り入れたのは、日本の戦艦大和が世界初。この形状にすることで速度が格段に上がりました。後方の出っ張り(名前失念…たぶん後部短艇格納庫の換気口のことかな)も実際に目で見て確認し、海底探査前の1996年に描かれた大和と、探査後の2004年に描かれた大和にはその違いが表現されています(水野先生曰く「本当はもっと丸いんだけどね…」とのこと)。

上が海底探査前の1996年、下が海底探査後の2004年に制作された戦艦大和のイラスト




海底には3つの大砲がライン上に綺麗に並んで逆さまに沈んでいます。大砲は船体に固定されておらず、船体の穴にそのままスポッと嵌める形で搭載されていました。このことから、大和の船体が海上で逆さまにひっくり返ったために、固定されていない大砲がそのまま抜け落ちて海底に沈んだことが分かります。また、艦橋や弾薬庫などの造形にも発見があったそうです。

大和は頑丈に作られているため、米海軍の雷撃機は大和の左側に集中して、魚雷攻撃をしかけました。魚雷で船体に穴が開き弾薬庫に引火、そこから海水が流れ込みボイラー室に冷たい海水が一気に流れ込んで更に大爆発。船体がひっくり返り真っ二つに割れ、昭和20年4月7日に戦艦大和は東シナ海に沈みました。海底に沈む破壊された大和を見て、当時どのような攻撃を受けたのかがこのように推測できたそうです。まるで考古学のようです。


潜水艦から大和を確認し、状況説明する水野行雄先生。18年前の映像です。今も沈んだ大和の一部を回収しようと試みているらしいですが、1mで1億円かかるらしいので、なかなか進まないとか…。



他にも、米海軍が仕掛けた機雷を除去するための防雷具の鎖や、米海軍が16インチの大砲を搭載しなかった理由、日本海軍の暗号が米海軍に知れ渡ってしまったのは何故か、また当時の歴史についても語られて勉強になりました。大和は日本海軍が制作して、同じ設計図の武蔵は三菱重工が制作したことも今回初めて知りました。

水野先生のお話の中で印象的だったのは、海底探査で一緒のクルーとして参加した大和搭乗員とその設計士の方が、海底から引き上げられた靴や茶碗や薬箱などの遺品を見た瞬間に当時の記憶がフラッシュバックして、作業できない状態になってしまったことです。60年以上経過してもその記憶は消えることはなく、15歳くらいでそんな経験をして大人になって、普通の暮らしが出来るように懸命に働いて、生きることを投げ出さなかったこの人たちは本当に立派で、そういった人たちのお陰で今の日本はあるんだな、と思うことができました。自分が15歳の頃とか…自分以外のことは何も考えずに生きていたなぁ。

海底探査では、いろんな国からクルーが参加されて、海外の方との交流を楽しんだお話には、思わず笑いが溢れました。「僕は女性が大好きだから…」と言って、女性クルーの方と恋話したりしたエピソードは面白かったです・笑。フネの上ではラッパも演奏されたそうです!

今回のおしゃべり講座は戦争の話に関わるので、水野先生も「今日はちょっと疲れた」と仰っていましたが、歴史的建造物を知ることで、その技術が今はどのように使われているのかも相対的に知ることができるので、過去を知ることは今を知ることでもあるんだなぁと思いました。


懇親会でも大和にまつわる話題で盛り上がりました!私の超素朴な疑問「戦艦大和はなぜこんなにも人気がある?」にもお答えいただきました笑。「戦艦」の中では大和が一番大きく、排水量(=船の重量)も最大だからとのこと。洗面器に水を張ってそこに大和を浮かべて、排出された水の量=船の重さになると、ホワイトボードに絵を描いて説明してくれました。理科の授業っぽいですね。


最後には、前回の「ラッパの話」で披露された、ルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界」を演奏してくれた水野先生。超濃厚な3時間でした。
誠にありがとうございました!!

次回の水野行雄先生のマルカフェおしゃべり講座は、10月29日(日)「からだの話」です。
詳細はまた追ってSNS等で配信いたします。

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過去のイベントレポートマルカフェおしゃべり講座 VOL.01―フネの話―
マルカフェおしゃべり講座 VOL.02―イラストの話―
マルカフェおしゃべり講座 VOL.03―木曽の話―
マルカフェおしゃべり講座 VOL.04ーラッパの話ー

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