自由律俳句まとめ 5月 中旬

墨の香りが背骨をまっすぐにする

誰も見たことのないもとのかたちに還りたい

靴擦れした足で駅まで遠い

定食屋みんなが見上げる先に宮根誠司

文句をいう老婆の声の柔らかさ

針金格子の間から日向に近づきたい桃色

そよぐ緑の向こうで他所んちの換気扇が廻っている

帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る帰ったら爪を切る
♪ 靴擦れ Lonely night ♪

一筆も進まず茶は減るばかり

右耳の脈拍が当てた二の腕に沈んでいく

音楽で耳を塞ぎ歩いた通学路もう通らない

教室のカーテン揺らした青嶺の風と同じにおい

痺れた脚の血は熱い