観世宗家展

能についての知識はゼロの状態で、衣装や能面をみた。
会期:2012年12月27日(木)-2013年1月21日(月)
会場:松屋銀座

「テル・クモル」という言葉で説明されていた、
面の角度によって表情が変わるという技法に感動。
顔が上向きの時は喜び、下向きの時は哀しみ、顔を左右に降る時は怒り、と
パーツの角度や顔にかかる陰影、そして動作で感情を表している。
ひとつの道具から無限の表現が生まれるということなのか。

面自体にさほど違いはないものかと思っていたが、
並んで見ると全く違うことが分かる。
髪の毛の一筋の描き方や眼の俯き加減、白目の部分が金色や青色の違いで、
年齢、身分、そして人間か霊かを表している。

面に演者の汗が内側から外側へと染み出して、色が変色していた。
表現者の汗と息遣いが蓄積されていく度に、面の精度は上がっていくんだ。


舞台衣装は世界最小単位らしい。
極限まで削り必要なものだけを残し、磨き上げた芸術。
一点一点、刺繍による柄は、息を呑むほどの緊張感で構成されている。
そして細密で美しい形と色をしていた。
糸でグラデーションを作っていたのにはクラクラした。

今回は能の「道具」をみて来たわけだが、
これらを身に纏って演じられた実際の能を体感したい。